どう進める?輸出に向けた2つのマーケティング(2)

●マイアウトレットジャパン訪問

2017年10月13日(金)、幕張での”日本の食品”輸出エキスポ視察の帰りに、8月にJR西千葉駅前にオープンしたばかりの「マイアウトレットジャパン」に伺い、松本店長にお話を聞きました。

マイアウトレットジャパンは、シンガポールのハラール商品専用商社小売マイアウトレットの日本での支店にあたります。昨年まで別の会社が日本法人を立てていましたが撤退し、今回改めての日本進出で、お店での展開は初めてです。

 

今回、どうしても一度お店に行きたかったのは商品の販売環境を知るためでした。結論として、都心から遠いですが、ムスリムへのアンテナショップやマーケティングのスペースとして活用できる場所です。

 

 

西千葉駅出口から1分程度、駅ビルを使えばスーパーのレジ横出口から5秒です。

駅前の良い場所なのに、食べ物の価格は抑えています(コーヒー280円、ラーメン700円)。※カフェで食べたラーメンやハラール認証のスイーツはとても美味しかったですが、その話は次回に。

 

 

百数十人いるムスリム留学生はもちろん利用しますが、地元のノンムスリムにも気軽に使っていただくお店を目指しています。アルバイトは千葉大留学生(ムスリムに限らず)で、多言語対応やPOPデザインなどでもお店の手伝いをしてくれるそうです。

南薩食鳥製チキンソーセージは高品質。
南薩食鳥製チキンソーセージは高品質。

●物販スペースに南薩食鳥のソーセージが!

マイアウトレットジャパンはビルの1階で、カフェスペースと物販スペースに分かれています。入口手前にテーブル5つとカウンターで30席程度のカフェスペース、奥にキオスクの2,3倍程度の物販スペースがあります。

 

常温・冷蔵・冷凍の三つの温度帯で、日本産商品(ハラール認証商品と元々ハラールな商品)と輸入品が取り揃えてありました。特に冷凍品、特にムスリムのニーズの高い食肉の面積の割合が高く、モスク近くの小さなムスリムショップに匹敵する品揃えです。

 

ムスリムショップと異なるのは並べ方。日本の標準的なお店のように丁寧に陳列され、POPがついています。

「ハラールショップとは説明していないので、地元の日本人(ノンムスリム)にとっては珍しいエスニック食品があるお店ですよ(笑)」と松本店長。

 

そしてあります、人気の南薩食鳥のチキンソーセージ!!

これが売っている小売店はほとんどないと思いますが、在日ムスリムには明らかに評価が高いです。一度これを食べると、ブラジルからの輸入チキンソーセージを食べられなくなるとの話も。

このように、積極的に国産ハラール商品を置いてくださるそうです。

マイアウトレットジャパン店内
マイアウトレットジャパン店内

●輸出に向けた足がかりに

マイアウトレットの利点は海外(中国)に店舗網を広げていること。

CEOのロニーさんにはフィリピンの国際会議で同じテーブルだったのでお話しましたが、

明確に各国に店舗を広げる戦略を取っているとわかりました。

そして短期的な利益よりも、ハラール商品の流通を広げることを使命にしていると感じました。

各国で中小企業サプライヤーの支援プログラムも行っています。すごいですよね。

http://www.myoutlets.com.sg/index.php

さらにさらに、ECサイトも始めています。

https://haladeen.com/

 

日本(千葉)のムスリムに人気になれば、マイアウトレットグループ内のネットワークを活かして、他国に出展しているマイアウトレットでの取り扱い、つまり輸出を検討していただけると思います(仮に人気がまだ出ないうちからでも、他国でのプロモーションもできるでしょう)。

 

日本店ではテーマを決めて、フェアなどもやっていただけるそうです。

すでに南の方のある県が準備中とか・・・。

 

誰に人気になるか、ならないか、人気が出ない時はどこに改善点があるか、

知ることは大変に重要です。

 

ムスリム市場を目指すのであれば、展示会以外にもマイアウトレットや他のムスリムショップに卸して地道にマーケティングしていく方法、選択肢にすべきと思います。

 

以上中川より現場の情報でした!