ベトナムで考える訪日観光客対応(2/3)

宿泊施設での食事への配慮

ハノイではヒルトンに宿泊しました(意外にリーズナブル)。

気になるムスリムやベジタリアンへの提供メニューですが、朝食ビュッフェのメニューでは、饅頭、野菜ビーフン炒めやおかゆ等に"Vegetarian"、チャーハンに”contains egg”、ポテトサラダや点心に"contains pork"など表示での説明がありました。またソーセージには”Chicken sausage””Pork sausage”と明確に表示がされていてわかりやすいです。ハラールと畜されたかどうかは別にして、チキンソーセージを食べるにしてもポークソーセージが隣りに置いてあることが嫌なムスリムのお客様もおられるはずですが、ムスリムゲストの絶対数が少ないのでしょう。利便性を考えてソーセージ同士は隣にしてあるのだと推測します。

ヒルトンでは朝食の時に一度だけ東南アジア系と思われるムスリムの家族を見かけました。

ただ、ホテルではハラールミートが使われているようには見えませんでした。とても美味しいフォーのスープの出汁は鶏でしょう。ムスリムの宿泊客が、原材料の知識、言語コミュニケーショの上で、とても美味しいフォーを楽しめると良いけどな・・・などと考えさせられます。

なお、5泊6日の滞在で観光地を回りましたが、ムスリムを見かけたのはこの1回と、有名な水上人形劇の劇場内のカフェで数人のグループを見かけた1回だけでした。

飲食店のムスリム向けメニュー提供状況

現地で12月25日現在、tripadvisorでハノイのレストラン1,987軒の中からベトナム料理+ハラールで検索したところ、21軒、ほぼすべてインドかパキスタン料理です。マレーシア・インドネシアが3、レバノンが1店ていどでした。

ハラールなベトナム料理を簡単に見つけたり、安心して楽しんだりすることはハノイでは難しそうです。

一方で「ベジタリアン料理あり」を検索すると977軒が該当。

この検索結果からはベトナム料理のレストランが続々と出たので、ベジタリアン料理で良しとするムスリムの方々は食べる場所をここから探せると思います。

 

礼拝環境

ハノイのノイバイ空港国際線ターミナルには礼拝室はありませんでした。ネットで探した限り、ホーチミンにもないと思います。ヒルトンとクルーズ船の部屋にもキブラはありませんでした。

唯一見かけたのは先に書いたハロン湾に行く途中のバス休憩所兼おみやげ屋です。

常設スペースになっており、入り口ドアに大きく”prayer room”と書いてあります。

中に入ると礼拝マットが敷かれていますが、ウドゥー(水で手足などを清める設備)ないし代わりになるペットボトルなどは確認できず、キブラ(マッカ(メッカ)の方角を示す矢印などのサイン。お祈りする際にマッカの方角を向くため)がない代わりに壁に”EAST””WEST”と貼ってあるだけでした。

何とか礼拝はできそうですが、もっと簡単に良い環境にできると思いました。

 

まとめ・余談へ続く