2017年の訪日ムスリム推計

訪日ムスリムの推計

3月23日(金)、かれこれもう4年以上取り組んでいるハラール食品メーカーさんと打合せしました。

他と比べればしっかり売れている商品ですが、まだ数が少なく国内販路を増やせず、利益が出ない状況だそうです。

何とかこうした取り組みが成果を得られるよう、お手伝いをしたいと思います。

 

訪日ムスリムも「急増」と新聞やテレビ、書籍の帯には書かれていますが、実際はどの程度増えているかというと、訪日外客全体の伸び率に近い平均的な伸び率です。そしてまだ左の表のとおり、弊社推計(※)で約91万人。訪日客全体2869万人(2017年JNTO暫定値)の3%です。

 ※主なムスリム在住国からの訪日客数に、その国でのムスリム人口比率をかけて合計

 

この推計でも多めに出ていると思います。JNTOジャカルタ事務所は講演の中で、インドネシアからの訪日客におけるムスリム比率を25%程度と説明していますし、中国でも人口比率の通りにムスリムが来られている印象はありません。

なぜ独特のマーケティングが重要か

なぜ多くのムスリム旅行者が渋谷、ハチ公へ行くのでしょうか?
なぜ多くのムスリム旅行者が渋谷、ハチ公へ行くのでしょうか?

また、日本在住ムスリムは10万人程度(根拠:早稲田大学の店田先生の研究)ですから小さな市場です。

 

もう何年も取り組んでいる方々はおわかりですが、新規参入をお考えの皆様は、講演や勉強会で日本のムスリム市場が大きい(んじゃないかな等)と説明されたら注意しましょう(そしてムスリム市場も16億人十把一絡げにまとめられる訳はありません)。

 

今日はサポートする立場の企業としては自爆ですが(苦笑)、これが事実です。

それでも注意深く見れば、この市場には大きな特徴があります。

単純に「ハラール」に対応するのではなく、ムスリムであるお客様が何をお求めなのかを考え、行動を追っていくと見えてくるものがあります。

人口成長、経済成長につれて全体の市場が大きくなる見通しはあるので、ニーズを理解してフィットした商品やサービスを始めればビジネスになり得ます。

 

だからこそ、ムスリム市場には独特のマーケティングが必要だと思っています。

 

もしくは、利益度外視で「食事や生活にどんな制約をもった方でも楽しんでいただける商品/お店」=バリアフリーを進めるために、ムスリム、ベジタリアン向けに取り組む方針もあり得ます。これも現実的な対応で、こうしたお考えの企業を時々サポートさせていただきます。

 

弊社の強みは、期待値ばかりで語るのではなく、客観的な数値で説明することです(当然のことですが)。

そして数字だけでなく、ムスリムのお客様のいらっしゃる現場に通って実際にビジネスをしていることです(まだ小規模ですが)。

評論的なコンサルティングではなく、営業のお手伝いをして商品を動かし利益を出す、実践的なお手伝いをさせていただけたらと思います。

 

とりとめがなくて恐縮ですが、ご関心があればお問い合わせください。

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