
2018年4月12日午後、東京大学本郷キャンパスでのムスリムの方への福利厚生※の環境を、日本中東学生会議を運営する現役の東京大学生の方に案内していただきました。
福利厚生とは、いわゆる「ムスリム対応」なのですが、私は「対応」という言葉が「厄介なものをどう扱うか」というニュアンスが入っている気がして、どうも好きではありません。今回は大学なので、福利厚生と表現してみます。
この日は入学式。赤門や安田講堂の前で家族の記念写真を撮る姿を見かけました。東南アジアからの留学生と思しき人たちもいました。最近は近所の住民に加え、外国人観光客も入ってきて散策している姿を多く見かけるそうです。

まずは東京大学コミュニケーションセンターへ。
ここには東京大学の研究成果を活かし商品化された品物が販売されています。
ハラールの商品があると聞き、ワクワクしながら中へ入ると・・。
ありました!(以前新聞で読んだのに忘れてました、すみません)
ハナーンチョコレート。
チョコレートはロック製菓さんの製造ですが、ネーミング、パッケージなどで関わられたのだと思われます。
メッセージは賛同できるところと疑問に思うところがありますが、ムスリムも食べられますし、ノンムスリムにもメッセージのある商品は日本が宗教の異なる人々も受けれる寛容な社会になるため、貴重な存在です。




この後、生協購買部に行きましたが、実はムスリムの方がよく心配する原材料などを明記して販売している商品がないそうで、それを確認し、次に学生食堂へ。
東京大学の本郷キャンパスでは、2つの学生食堂でハラールを気にするムスリムも食べられるメニューを提供しているそうです。
1つはこの中央食堂。
つい2週間ほど前にリニューアルしたそうで、新しく美しい内装です。
「タニタ定食」が提供されていたり、オムライスの「ポムの樹」が入っていたり、充実していますが、その中に"HALAL"との表示が掲げられたケバブの店がありました。
写真で分かる通り、誘導路の入口にも"HALAL"と貼ってあるので、「ムスリム以外食べちゃダメなの?」と思われる人もいるかもしれませんが、もちろん誰でも食べて良いです。この店にはケバブライスとケバブラップサンドの2種類のメニューがあります。
私はケバブライスをいただきました。ソースはフムス、ケチャップ、スイートチリ、ホットチリの4種類から2つ選べます。迷わずフムスとホットチリを選び、ケバブラップを選んだ案内してくださった方と一緒に遅いランチをいただきました。ケバブライスは肉、野菜、米どれも多めで学生向きでした。美味しかったです!



そのほか、ふだん礼拝に使われている部屋なども見学させていただき、最後はもう一つの学生食堂に。
この学食ではラーメン・カレーほか10種類近くのメニューに"HALAL"とマークがあります。留学生からもよく聞きますが、毎日同じメニューを食べているのはさすがにつらいそうなので、メニューが増えることは大事です。
また、"HALAL"と表示する基準がムスリム学生のグループと学生食堂の運営者との間で決められ、内容が目立つ場所に掲示してありました。
この食堂はランチタイムのみの営業で、この日もう営業時間を過ぎていたので食べられなかったので、今度食べに来たいと思います。
※混雑する11:30-13:30は学生・教職員優先ですのでご注意ください。



さすが数百名のムスリム学生・先生が在席する東京大学。
国立学校法人ということもあり、公に礼拝室は設置していませんが、食事をはじめムスリムの方の生活がしやすい環境が最低限整った印象です。
国立大学の比較対象としては東京工業大、東北大を視察したことがありますが、同様の状況と思われます。
在住の方への「おもてなし」に参考になると思います。
今回、学内の施設をご案内いただいた日本中東学生会議の方、本当にありがとうございました!
次回はムスリムの学生さんにもお話をお聞きしたいと思っています。