ランチ場所と行程づくりに悩む

インドネシアの大学生との調整は若干大変でした。
当初は観光地と絡めながら視察先を提案したのですが、「純粋にイスラーム関連施設だけ回りたい(観光地は他の日に回る)」との希望が返ってきて、再度の絞り込みが必要になりましたし、視察2日前に「東京ジャーミイは今日行ったから外して良い。イスラミックセンタージャパンに行きたい」と来ましたし(苦笑)。
いずれにしても、自分が行動計画を立ててみると、昼食の時間に食べられる店が限られている状況(しかも新宿でさえラーメンかインドカレー、トルコ料理程度の選択肢しかない)は、大変さを実感しました。日本企業の担当者からも、この点でのムスリム出張者へのアテンドの難しさをよく聞きます。
われわれノンムスリムはFITのムスリムの気持ちになって考えてみると良いでしょう。せっかく外国に来て限られた時間しかないのに、ハラール認証を取得したレストランで食べるためだけに数十分の移動をしたり、看板が読めない日本語ばかりの街でその店を探し回ったりするのは大変でしょう。ハラールだからとその日食べたいわけでないジャンルの料理を食べなければいけないのも辛いと思います。
イスラームの寛大な教え(旅行者はできる限り努力すれば、母国と同様に行動しなくても許される)にしたがい、ノーポーク料理やシーフード料理で良しとする気持ちも理解できます。
パキスタン人研究者の視察先

パキスタンから来日したアフメド博士ご夫妻は、大変実績の豊富な食品化学とイスラームの研究者なので、ご講演をお聞きし荒木先生とも相談したうえで、日本人や日本在住ムスリムとのディスカッションの機会を増やしました。
視察先としては、
・東京ジャーミイ
・日本ムスリム協会(近所でランチ)
・大塚モスク
・日進ワールドデリカテッセン
・新大久保のムスリムショップ群
博士ご夫妻は過去に1年日本に住んでいらしたこともあり、日本料理にトライしたいわけではなかったので、インドレストランを検討しましたが、ランチの時間に視察先の近くに食事のできる場所がなく、わざわざランチのために地下鉄を使って20分ほど移動する計画でした。
しかし、大変親切なことに日本ムスリム協会の方からミーティング後にお誘いを受け、普段から協会の方がご利用される近所のカレーレストランで食事をいただきました。日本人ムスリムの方から連れて行っていただけるのは博士ご夫妻も安心だったと思います。
35℃近くまで上がった大変暑い日に外を歩いて移動することもある視察で健康面も懸念がありましたが、ご夫妻ともに大変タフで全く問題なく、9時間の視察を終了しました。