マレーシア旅行展示会で考える、日本が今後すべき事(1/2)

今年もMATTA Fairを視察

2018年9月7~9日、マレーシア・クアラルンプールで開催されたMATTA Fair(マッタフェア)を視察しました。
これはMATTA(マレーシア旅行協会)主催でクアラルンプールで年2回開催されるほか、ペナンやジョホールバルでも開催される有名なイベントです。
基本的には一般旅行者向けに旅行先各国・各地域ブースでは観光誘致のプロモーションが行われ、旅行代理店ブースではツアーやチケットなどの旅行商品がその場で購入できます。
会場のマレーシア人来場者の比率は私の印象ではマレー系ムスリムと中華系、ほぼ半々です。
昨年9月と比較しつつ、今回気づいたことなどお伝えしようと思います。

もう少しPRに戦略が欲しい

まず、国として大き目のブースを確保してPRしているのはインドネシア、韓国、台湾、日本、トルコ、スリランカでした(他数か国が最小単位のブースでPR)。
JNTO(日本政府観光局)のブースは昨年同様、隣にApple Travel社やJTBのブースがあり、日本への旅行をプロモーションしています。
今回は東京だけ独自のブースを出していたのですが、日本とワンブロック離れた位置だったのが残念でした。東京ブースは韓国ブースとソウルブースに挟まれた格好で、両側のマイクパフォーマンスに押されつつも、独自のミニステージを盛り上げていたほか、東京のムスリムが食事や礼拝できる場所をまとめたマップが良かったと思います。

パンフレットが飽和状態

JNTOのブース(写真撮り忘れたので公式サイトご参照)では、様々な自治体がそれぞれ割り振られた小ブースで、それぞれの自治体のパンフレットを配布していました。

また、最も人が多く流れてくるいわゆる「正面」のスペースには、70種類くらいあるでしょうか、日本から送られてきた出展者以外のパンフレットがぎっしりと置かれていました。お客さんの立場から見ると、パンフレットが飽和しているように見えなかったか心配です。私が訪ねた時は数人のマレーシア人がパンフレットで重くなったトートバッグにさらに日本のパンフレットを詰め込んでいましたが、同じく数人の人は何を取れば良いやらとテーブルの前で動けなくなっていたようにも見えました。

方法は色々あって、もちろんブース運営者も気づいているとは思いますが、せめてテーマ別(地域別に分けたうえで、自治体の総合パンフと個別企業(宿泊・飲食店)に分けるなど)に分類してPOPでもおけば良かったと思います。「公平」を意識するあまり、来場者視点が不足しているのかと憶測が浮かびました。

 

弊社クライアントには「ここにパンフレットを置いても埋もれてしまい、高い効果は期待できない」と報告しました。

来場者への印象付けに関しては、隣の韓国ブースのハンボック(民族衣装)の着付け&記念写真(背景は韓国の雪が積もった観光地)ブースが盛り上がっていて、この形もあると良いように思いました。同じく韓国からの「ソウル」のブースでは「ビューティ」「アクティビティ」などテーマ別の展示のなかで「ムスリムフレンドリー」ゾーンが用意されていて、ムスリムへのPRを行なっていることがわかります(下左の写真ご参照)。
旅行代理店にしっかり自国のみをPRしてもらう交渉をしておけば、下右の写真のようにもPRに活用できると思います。