マレーシア旅行博(MATTA Fair)KL視察報告(1/3)

旅行先としての日本に感じる変化

2019年9月6日、7日にマレーシア首都クアラ・ルンプールで開催された、マレーシア旅行業協会の旅行博クアラ・ルンプール開催(通称MATTA Fair KL)を視察してきました。これで3年連続でこの展示会の9月開催を視察しており、多少なりとも定点観測的に情報が取れて来たと思います。

 

昨年の報告記事はこちら

 

今回の視察では昨年と比べてある点に気づき、変化の兆候を感じました。それは訪日旅行者の増加傾向にややブレーキがかかりかけている原因だと思います。どのような変化を感じたのか、順を追って説明したいと思います。

フェア全体の様子

MATTA Fair KL は日本のツーリズムEXPOのような展示やセミナーに留まらず、旅行チケットの即売会にもなっており、一般の消費者がその場でチケットを早期割引の形で安く購入することができます。例えば今から3か月後、半年後の航空券チケットやパッケージツアーに安く申し込めるわけです。

 

比較的小規模な旅行代理店のブースが立ち並ぶエリアでは、狭い通路が来場者でごった返しています。日本や韓国を含めた各国のブースや、大手旅行代理店のあるエリアはブースも通路も広く取ってありますが、それでも多くの来場者が来ており、マレーシアにおける旅行熱が変わらず熱いことが感じられます。来場者の割合としてはマレー系4割、中華系5割、インド系など1割といった印象です。私がブースの前を歩いていると、中華系旅行会社の展示員のほとんど全員が中国語で話しかけてきます。

戦略的にイメージ発信する韓国

最も印象に残ったのは韓国の戦略的なブースです。

韓国の大きなブースのなかに各都市の小ブースが入っている形ですが、全体的な装飾が冬のイメージで統一されていました。例えば、雪の結晶のオブジェやがいたるところに施され、スキー場の写真もいたるところで見かけます。「(この旅行博でチケットが安く買える)12月~3月は韓国に来て雪を楽しんでください」というメッセージが明確に発信されていました。これは旅行意欲を喚起すると思います。

このメッセージは日本ブースでは統一されたものは感じなかったので、ぜひ真似して欲しいと思いました。もともと雪や桜は日本のイメージで広がっていましたが、近年はすっかり取って変わられてしまったように感じます。

また、ステージではK-POPのアーティストを呼んでパフォーマンスを行っていましたが、多くの来場者が幾重にも輪を作っており、人気の高さを実感しました。