マレーシア旅行博(MATTA Fair)KL視察報告(2/3)

ムスリムフレンドリーイメージ定着を目指す台湾

今年もマレーシア人女優のMira Filzahさんが台湾の観光大使となっていて、ブースのあちらこちらに(等身大に近い)パネルが置いてありました。昨年から同じイメージタレントを継続起用している点から、本腰を入れプロモーションを行い、ムスリムツーリズムの定着を目指している印象を受けます。

 

ちなみに今、マレーシアの人気スポーツドリンクの"100plus"のプロモーションに彼女が起用されており、MRTの駅構内の壁に巨大なイメージ広告が掲出されていますので、広告効果は今年はさらに高いと思われます。

 

台湾ブースの中心には台湾ムスリム協会の女性がおられ、ムスリムの方の旅行での不安な点の相談に乗ってあげているようでした。この方とお話させていただき、中長期的な視野で、政府が後押しして市場開拓のための環境整備を行っている状況を知ることができました。

 

また、受付で配布される公式エコバッグ(チラシをたくさん入れて皆が持ち歩く)に今年も台湾のマークが入っていた他、他のホールへの案内表示にも名前を表示しており、きちんと宣伝枠を押さえている印象でした。

日本ブースも活況

日本ブースも活況でした。

どのブースも来場者が途絶えることなく、話し込む姿も多く見かけました。何年か続けてMATTA Fair KLに出展している展示員(ゴールデンルートではない地域)の方に聞くと、今年は目的をもって具体的な質問をしてくる来場者が多く、手応えが高くなっているとのこと。

  

一般社団法人東北観光推進機構や一般財団法人関西観光本部のような広域観光圏でのプロモーションもJRパスを使ったお得な移動方法と組み合わせて紹介し、強く関心を引いているようです。

 

弊社がサポートしている岡山市・真庭市・吉備中央町の「岡山型ヘルスツーリズム協議会」の皆様も岡山県と共同ブースを設置し、後楽園など観光地とムスリムフレンドリーのお店を紹介していました(下写真2枚)。

 

中華系に限らず、マレー系もインド系も所得が着実に上昇し、旅行に行く機会の増えたマレーシア人の行きたい国上位の一つである日本への人気は変わらずあるように見えます。

順調にその需要を取り込み、取り組む各社、そして日本の観光業界や経済の発展につなぎたいところです。

価格差が明らかな状態に

上半分はスキーのイメージで7日か8日の韓国旅行(約10万円)、下は日本の本州と高山の5泊8日?旅行(約15万4千円)
上半分はスキーのイメージで7日か8日の韓国旅行(約10万円)、下は日本の本州と高山の5泊8日?旅行(約15万4千円)

しかし、この日本人気の需要をしっかり取り込むためには、ある課題を乗り越えていく必要があることもわかりました。

 

会場の旅行代理店を見て回っていると、あることに気づきました。それは、韓国・台湾・中国という競合国と比べて日本が目立たない位置になってしまったという感覚、別の言葉で言えば日本の存在感が下がったという印象です。

 

具体的には、旅行代理店のブースに掲示された見出しの文字の大きさと位置、写真の順番と位置(もしくは写真自体の有無)によって、多くのブースで韓国が先に来ていたのではないかと思います。

 

そして昨年までの各旅行社のブースでは、最も目立つ位置に掲示されるのは日本か韓国で、両者拮抗していた印象でしたが、今年は韓国の方が目立つ割合がかなり高まったと思います。この状況について、マレーシアの観光業界に長年かかわる日本人の方に聞いたところ、日本の存在感が下がったのは確かで、主な原因は為替変動によって価格差が開き、お客様からの人気に差が出てしまい、旅行会社は人気のある売れやすい商品を目立つところに掲示しているとの分析でした。

 

この旅行会社でも韓国が上、日本が下の場所に掲示されていた。
この旅行会社でも韓国が上、日本が下の場所に掲示されていた。