外国旅行を扱う代理店ブースにて

価格を見ると、例えば同じ5泊7日のツアーでも、韓国行きツアーはおおむね3,500RM程度(約87,500円)であるのに対し、日本行きはおおむね6,500RM程度(約162,500円)で売られています(低価格プロモーション中のヨーロッパ行きツアーより少し安い程度)。
この価格差がある状況で、日韓どちらも同じだけ興味がある人なら、安い方を選ぶ場合が多いのは必然と思われます。
また、販売する側の代理店が人気商品・売れ筋を推したいのは当然のことで、今の状況をわかりやすく表すサインなのだと思いました。
下3つの写真では色々な地域のツアー価格が見出しで出ていますので、何日間かはさておき、価格帯の参考にご覧ください。
今後の展望

この価格差はどうやら韓国と日本の旅行商品の利益構造に原因があるようです。昔の日本もそうでしたが、韓国の場合、ツアーでホテルの価格を安くしても、旅行者がおみやげなどで落とした利益が戻ってくるようになっているようです。しかし、日本では消費者保護(買いたくないのにおみやげ店に連れていかれて断りにくいなど)の観点から、このようなビジネスモデルのツアーは行われていません。
価格についてもう一つ大事なことですが、単純に価格を高くして質を高めれば良いというわけでもありません。例えば韓国が打ち出している「冬」のイメージについて言えば、「日本のスキー場の方が雪質が良い」と思う方がいるかもしれませんが、その雪質の良さをお客様が求めているかというと、実はそうでもないようです。
マレーシアの旅行者にとってみれば一部のスノースポーツ好きを除き、スキー体験や雪遊びができる最低限の雪と施設があれば十分とのこと。
供給側の思い込みに基づいた発想にならず、お客様の求める質と価格をもとに、差別化できる企画を考える必要があると思います。

もし、構造的に価格差を埋めていくことに限界があるならば、内容での差別化をしていかなければなりません。
幸いなことに、中華系マレーシア人の中には、すでに訪日4回目5回目のリピーターが増えて来たと聞きます。
彼らは東京・富士山・京都・大阪などいわゆるゴールデンルート、北海道、白河郷などの定番観光地の訪問を終えて、地方の都市や観光地に足を伸ばし始めています。
この段階の旅行者に求められるのは、これまで体験したことのない新しい体験やここでしか見られない景色(特にSNS向きの)です。
地方自治体がムスリムをターゲットに考えた場合、同じマレーシアの中華系を呼び込むことから始める手があるのだと思います。
今後マレーシアやインドネシアなどからのムスリムの観光客を増やすためには、単に「ハラール対応」だけでなく、お客様の満足度と機会とニーズをよく理解して十分に磨いた企画を立て、地道に的確にプロモーションする必要があります。
ご検討の際は何かお役に立てると思いますので、ぜひご連絡ください。