
みなさま、こんにちは。中川です。
飲食店ならびに宿泊業の新型コロナウイルス感染症対策について、5月14日、政府の基本的対処方針(改正)に基づき、「外食業の事業継続のためのガイドライン」「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン(第1版)」が相次いで発表されました。
外食業
宿泊業
具体的な対策は各店の事情によって異なりますが、同時にもう1つ重要な事があります。
それは、お店でおこなう衛生対策の内容をお客様に「伝える」ことです。
なぜなら、たとえ衛生面できちんと対策していたとしても、それを知らないお客様の心のどこかに一抹の不安が残り続けるからです。
逆の言い方をすれば、きちんとお客様に伝えれば、お客様がより安心し、貴店に対する信頼性が高まるからです。
もしかすると、
- わざわざ説明しなくても、お客様には「常識」としてわかってもらえるだろう。
- わざわざ掲示するのは大げさで、いやみったらしくならないだろうか。
と思う方もいらっしゃると思います。
しかし現在の状況のなかで、お客様の立場に立ったとき、衛生対策が掲示されている店と、特に説明がない店、どちらが安心度が高いでしょうか。
上にご紹介した写真はミニスーパー「まいばすけっと」の店舗に掲示された感染症防止対策の説明で、お客様の理解・協力を求めています。飲食店・宿泊施設とは対策が異なる部分もありますが、アイコンを使い簡潔で大変わかりやすいので紹介させていただきます。
他店の衛生対策の説明を見れば、お客様の「心の動き」を体感していただけると思います。
イスラム教徒・ベジタリアンのお客様へのおもてなしと共通すること

実は弊社が「伝える」取組の重要性を感じているのは、飲食業がイスラム教徒のお客様が求める「ハラール」への対応をする際、
ただ対応するだけでなく、どのように対応しているのかをきちんと伝え、彼らの「不安」を解消する事が、満足度を上げリピーターを導くキーポイントになっているからです。
イスラム教徒が避けたい食材は、ざっくりと言えば神が禁じた豚(ならびに豚由来物)、イスラム式方法でと畜されていない動物(同じく由来物)、そしてお酒です。ベジタリアンであれば動物性の食材です。
もっとも取組みやすい対応方法は、上の避けたい食材・成分を提供メニューに入れないようにするだけです(実際は様々なやり方があるが、ここでは割愛)が、せっかく対応をしても、その対応を説明せずに黙っていては、お客様の推測に頼るしかありません。
しかし店の内情を当然知らないお客様には、お店側には想像できない様々な心配があります。
- 避けなければならない食材が何か、調理者は本当に理解しているのだろうか
- 避けなければならない食材が自分のメニューに混ざらないように、本当に対策されているのか
心配が多い人なら、不安が残る店に行くことは避けます。
それは、今回の新型コロナウィルスの見えない不安を感じる私たちの考え・行動と同じ図式なのです。
飲食店の皆様、貴店でおこなう衛生対策の内容をお客様に上手に伝えてくださればと思います。
そして今回のコロナ禍で、広く日本中のお店が「伝える」必要性を感じ、今後もイスラム教徒やベジタリアンに対応する際に上手に「伝え」ていただけるようになったら嬉しく思います。(中川)