日本のブースがない???

会場案内図をよく見ていなかったからなのですが、まさか日本のJNTOブースが韓国や台湾とは別の階(しかも天井の低い小さなブースが多いエリア)で展示しているとは思わず、何度もぐるぐる回って見つけるのに大変苦労しました。
後でわかったのですが、今年は外国エリア、国内エリアとは明確にエリア分けされず、トルコなども同じ階に入っていたようです。
下の階になった理由はわかりません。今年はJNTOの宣伝の予算が少なかったのかもしれませんし、抽選で外れたのかもしれません。
日本勢は東京都と仙台市がJNTOの近くに固まって出店していましたが、いずれも天井が低いため高さのある看板が作れず、遠くから視認できないため、ブース前まで来て「あ、日本だ」とわかった位の目立たない場所でした。
温泉猿の顔出しパネル

MATTA Fairでは数か月先の航空券が安く売られます。取りあえず格安チケット買っておいて後で考える人もいると聞いています。
2019年のブログでも書いたように、9月のMATTA Fairなら旅行時期は冬です。
日本のブースでも冬をイメージさせるパネルを造作した点がとても良いと思いました。
長野の野猿公苑の「温泉猿」を使った顔出しパネルは一緒に温泉に入っている絵に見えて面白いと思いました。しかし、せっかくのこのパネルが、天井が低く通路が狭いがために遠くから目立たないのです。
ブースの他の場所では、各地のパンフレットを並べて説明する状態でした。JNTOのムスリム向けサイトのチラシ、神戸牛ステーキ店のほか、ムスリム向けに特化したパンフレットはほとんどありませんでした。沖縄は以前作ったパンフレット(私も制作にかかわりました)はもう古くなったので今回は持参していないとのことでした。
東京都と仙台市は良いPRの機会だった

自治体で単独ブースを出したのは2者。日本の中だけで見ると他自治体の競合がおらず、とても良いPRチャンスを得たのではないかと思います。
東京都ブースでお聞きしたのは、ムスリムレストランガイドを置いていたが、今日最終日12時には全て配布し終わったとのこと。予想以上のムスリムの人出があったようです。
東北は東北観光推進機構と仙台市が独自のブースを持ち、それぞれ日本から担当者を派遣し3日間の長時間ブースに入ってアピールしておられました。仙台市は今年度ムスリムおもてなし環境の整備事業を行なっていて、PRと両輪でやっておられて凄いと思います。Matta Fairパンフレットにも1面広告を出すなど、アピールできていたと思います。
韓国や台湾と大きな差が付いた

韓国や台湾は小間を多く取り、天井の高いエリアで広いスペースに大きく造作物をつくり、MCをつけてブース全体を活気づけ、人を集め続けていました。
日本と同じ冬や雪をイメージさせるブースにて、ダイナミックで楽しい旅行先のイメージを与えたと思います。
また、同国内の国全体や各地域がつくったムスリムフレンドリーツーリズム(レストラン紹介、観光案内)のパンフレットを揃えて置いてありました。
※これらは日本も2019年にやっていたことです。
「ムスリムの旅行客に来て欲しい、歓迎する」との姿勢がはっきりと見えました。

9月4日現在、観光目的の訪日にはビザの取得が必要で、添乗員付きのパッケージツアーでないと旅行できない状況なので日本へ観光する人はまだ少ないと思います。
しかし、足元が動かないからと手を緩めた日本(と各自治体)に対し、数か月先を見て大きくPRした韓国と台湾。
今回はブースの大きさ、内容ともに韓国・台湾との差が大きかったと思います。
悲観的で恐縮ですが、この差は、来場者へのブランディング(来場者が旅行を検討する際、「行きたいな」と思ってもらえるために重要)に影響を与えます。
旅行価格が高い日本は「行きたい旅行先」として人気があるものの、実際に旅行する時の選択としてはより安い韓国や台湾に対して劣勢だったので(特にムスリム中間層にとって)、ブランディングには力を入れるべきだったと思います。




巻き返すしかない!

これは新型コロナで先行きが不透明だったため、結果論かもしれません。しかし次の3月のMATTAまでの半年間を見すえて、日本がマレーシア人に観光に来て欲しいとどこまで真剣に思っているか、が問われた催事だったと思います。その機会を活かす事ができなかった、というのが私の考察です。悔しいですね。
しかしながら、日本のコンテンツはとても豊富です。
コロナ前も、料金が高めでも、韓国や台湾にない魅力を感じ、日本に来てくれた旅行者もたくさんいます。
巻き返すしかありません!
弊社は今年度も岡山市のムスリムフレンドリープロジェクトのアドバイザーを拝命しています(岡山は9月下旬にクアラルンプールのジャパントラベルフェアに出展します)。
弊社のノウハウとネットワークで、マレーシアやインドネシアのムスリム誘客(と受入れ環境整備)に取り組む貴社、貴県のお役に立ちたいです。
巻き返しましょう!
今年度は予算がついていない地方自治体、事業者の皆さまのご相談に無料でお応えします(あまり手間がかかるなら、要ご相談ですが)。
小さなことでも構いませんので、下のフォームからお気軽にお問い合わせください。